インフォグラフィックは、情報やデータを視覚的にわかりやすく伝える手法で、SNSやブログ、プレゼン資料など、さまざまな場面で使われていますが…
「興味はあるけど、何から始めたらいいかわからない」「どんなソフトを使えば、うまく作れるの?」と疑問を持つ方も多いと思います。
この記事では、インフォグラフィックをこれから始めたい初心者の方に向けておすすめのツールを紹介します。
それぞれの特徴・メリット・デメリットを比較しながら、目的別に最適な選び方も解説しているので、ぜひ最後まで読んでみてください!
【比較表】おすすめツール3選のざっくり早見表

難易度 | 自由度 | 価格 | 特徴 | おすすめ | |
---|---|---|---|---|---|
Adobe Illustrator | 高 | 高い | プロ向け 表現力◎ | 本格的に始めたい人 | |
Canva | 中 | 安い (無料〜) | テンプレ豊富 AI機能あり | まずは気軽に試したい人 | |
PowerPoint | 低 | 安い | ビジネス用途に強い | プレゼン資料等で使いたい人 |
1番おすすめ:Adobe Illustrator

Illustratorは、プロのデザイナーも愛用する定番のデザインソフトで、インフォグラフィック制作においては最も適しているソフトだと思います。
使い慣れるまでにやや時間がかかりますが、めちゃくちゃ複雑なイラストを描くわけではないので、基本的なツールの操作を覚えれば十分質の高いインフォグラフィックを作ることができます。
インフォグラフィック専門のコンテンツレーベル「ビジュアルシンキング」を運営されている櫻田潤さんもAdobe Illustratorでインフォグラフィックを制作されているようです。
ー普段はどのようなソフトで制作しているのですか?
基本的にIllustratorを使っています。PowerPointでもつくることはできるのですが、細かな表現や、最近力を入れている手描きの表現などは、それらのデータを取り込みやすいソフトで制作するのがよいと思います。あと、手書きのイラストは僕はiPadのIllustratorやfrescoを使って描くことが多いですね。
Illustratorのメリット・デメリット
メリット
- 自作のイラスト、グラフ、図形を自由に描ける
- できないことがない、くらい自由度が高く細部までこだわって作ることができる
- メジャーなソフトのため汎用性が高くクライアントワークでも使える
デメリット
- 価格が高い(どんどん高くなってる…)
- 初心者には難しい
Illustrator単体プランでも月々3,000円前後はします。サブスクリプション形式でしか契約がないため「ちょっと副業で始めてみたい」という人にとってこの金額はかなり大きいかと思います。
こんな人におすすめ
デザイナーであれば使えて損はないですし、なんならAdobeを使えることが前提となる案件も多数あるので、デザイン(クリエイティブ)な仕事を目指す人であれば間違いなくおすすめできます。
デメリットとして「初心者には難しい」と書きましたが、僕自身クライアントワークや自主制作でIllustratorを使っていても、体感的にはIllustrator全部の機能のうち1~3割くらいの機能しか使えていないと思います。
それくらい、基本的な使い方さえ押さえておけば、ある程度のことはできます。
「こういうことをしたい」と思った時に随時検索して覚えていく感じで、あまりにメジャーなソフトなので検索すれば大抵の場合は使い方を解説してくれてる記事や動画がヒットするので便利です。
ちなみに僕はiPadのProcreateでラフを描いています


前にProcreateでよく絵を描いていたので、使い慣れていてラフはこのアプリを使っていますが、fresco(Adobe)などの無料ソフトでも十分です。
これから始めたい人&時短派におすすめ:Canva

Canvaは、ブラウザ上でも扱うことができる無料から始められるデザインツールで、テンプレートを使って、直感的な操作でインフォグラフィックを作ることができます。
一昔前はノンデザイナーの人向けのイメージがあったのですが、最近ではユーザーも増えてCanvaを使用ツールとしている案件もよく見かけるようになりました。
Canvaのメリット・デメリット

メリット
- 無料から始められる
- テンプレート・アイコン・イラスト素材が豊富
- AIによるデザイン補助あり
- チームでの共有・共同編集も簡単
- 価格も比較的安価
まとめていて思ったのですが、メリットがかなり多いです。SNSでもCanvaデザイナーさんをよく見かけますし、まずは気軽にデザインを始めたい人にとって最適なツールかと思います。
デメリット
- 自作イラストや高度な編集は難しい
- 細かなデザイン調整には限界あり
Canvaはデザインツールであって、イラスト作成ツールではありません。イラストの力を使うインフォグラフィックにおいてはあくまでも、Adobe Illustratorが使えないときの代替案としてツールという立ち位置になるかと思います。優秀なツールとはいえ、高品質なインフォグラフィックを制作したときはやっぱりAdobe Illustratorが最適です。
こんな人におすすめ
インフォグラフィック制作が初めてで、これから作ってみたいと思っている人にとっては間違いなくおすすめのツールです。やはり他ツールに比べて無料で始められることが大きなメリットです。
テンプレートやイラストなどの素材も豊富で、AIにも触れることができるため、使っていくうちにデザイナーとしての目が養われていきます。
頻繁なアップデートで機能改善されておりユーザーが伸びていることもあり、クライアントワークにおいてお客さんがAdobeではなくCanvaを使いたいというケースも増えていきているため、デザイナー・ノンデザイナーに限らず定番のツールになってきているのも強みになっています。
ビジネス用途に最適:PowerPoint

プレゼンソフトとして知られるPowerPointですが、実は図解やインフォグラフィック制作にも使うことができます。
PowerPointのメリット・デメリット
メリット
- 社内資料・提案書などでそのまま使える
- 図形やグラフ、SmartArtが標準搭載
- クライアントワークでそのまま納品できる
PowerPointを使う一番のメリットは誰にとっても「編集可能」な点です。これはクライアントワークでよくあるのですが、お客さんにデザインを納品する際にjpegやpngなどの画像ファイル、pdfの完成ファイルに加えて、pptxの元データファイルも一緒に納品します。
画像ファイルやPDFに関しては、スマホで簡単に完成形を確認してもらうことができますし、PowerPointであればほとんどの人は一度は使ったことがあるはずなので「ちょっと文言を変えたい」など思った時に簡単に自分で編集することができます。
デメリット
- そもそもデザインツールではない
- グラフィックとしての自由度は低い
こんな人におすすめ
僕のインフォグラフィック制作の仕事としての実績がまだまだ少ないということもありますが..これまで図解制作やインフォグラフィック制作での納品のほとんどはPowerPointです。
プレゼンツールのため、イラストを描くことには向きませんが、素材サイトからイラストを持ってきたり、Adobe Illustratorで自作したイラストを貼って、インフォグラフィックや図解を作ることも往々にしてあるので、個人的にも重宝しているソフトです。
近年では、PowerPointで作るようなスライド資料のデザインブラッシュアップの案件も多いので、図解やインフォグラフィックを組み込んだスライド資料デザイナーとして活躍したい場合は最適な選択肢になります。
PowerPointでの作例


PowerPointの基本的な図形と、素材サイトから持ってきたイラストやアイコンを組み合わせることによって、ビジネスライクな図解・インフォグラフィックを作ることができます。
Q&A
- まずは無料でインフォグラフィックを始める方法はある?
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Canvaが無料で始められるのでおすすめ。テンプレートを見て構想を考えられる。
- スマホでも作れる?
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Canvaはスマホアプリでも利用可能。ですが、細かい調整はPCのほうがやりやすいです。。。
- デザイン初心者でも大丈夫?
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インフォグラフィック制作においては”イラストの質が高い”ことや”デザインができる”ことも重要ですが、それらはわかりやすく情報を伝えるための要素の一部でしかありません。題材となる情報をいかに見せるかの部分でも価値あるインフォグラフィックになると思っているので、デザイン初心者でも良いインフォグラフィックは作れると思っています。
- Adobe Illustratorの場合は何から始めたらいい?
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まずは、本を一冊でも買って基本的なツールの使い方を網羅的に学ぶことが大切だと考えています。僕が実際に買ってよかったのは「仕事で一生使える Illustratorトレーステクニック」という本です。
まとめ:まずは“1つ”試してみよう!
インフォグラフィック制作に必要なのは、「完璧なデザインスキル」ではありません。大切なのは、伝えたい情報を、わかりやすく整理してビジュアル化すること。
- Illustratorで本格的なインフォグラフィックを目指すのもよし
- Canvaで手軽にSNS投稿を始めるのもよし
- PowerPointで業務に活かすのもよし
僕はCanvaも一通り使ってみて、今ではIllustratorとPowerPointをよく使うようになりました。作っていくうちに「○○をしたいから、他のソフトを試してみよう」となることだって当然ありえます。
つまり、ソフトは乗り換えうる前提のものとして、まずは自分の目的に合ったツールを1つ試してみることからスタートしてみましょう。