デザインは“重心バランス”で決まる。見やすさが一気に変わる理由

デザインは“重心バランス”で決まる。見やすさが一気に変わる理由

デザインを作っていると「なんかバランスが悪い」「まとまらない」という感覚になることがあると思います。

色の選び方や余白の取り方など、原因はいろいろありますが、その中でも特に大きく影響するのが「重心バランス」です。

色や大きさの配置によって視覚的な重さは変わるため、重心を意識すると見やすさが整います。

この記事では、デザイン初心者の方でもすぐに使える「重心バランスの考え方」と「具体的な応用テクニック」をまとめました。

目次

明度で軽重感は変わる

まず知っておきたいのが、色の明るさで重さの感じ方が変わるということです。

明度が高い(明るい)色 ⇒ 軽く感じる

たとえば、白や淡い色はふわっと軽く見えます。

明度が低い(暗い)色 ⇒ 重く感じる

濃紺・黒などはずっしり重く見えます。

そのため、明るい色ばかりが上に集まると、デザイン全体の重心が“上に浮いて”見えます。逆に、暗い色が上に来ると、どっしりしすぎて不安定に見えることもあります。

デザインに応用するとどう変わる?

明度による重心の違いを理解すると、スライドやバナーの印象が大きく変わります。

左右のバランスを整えると安定して見える

左右で明度の差がありすぎると、見た瞬間に“傾いて見える”ような不安定さが出ます。

たとえば下記のようなケースがよくあります。

  • 左側に濃い色が大きく配置されている
  • 右側に明るい色が広く配置されている

この場合、画面が左に寄っているように見えるため、全体として落ち着かない印象になりがちです。

そこで有効なのが、左右の明度バランスをそろえること。テキストや図形の色を調整したり、アイキャッチの位置を少し動かすだけでも「ちゃんと整っている見やすいデザイン」に変わります。

“重く感じる色”は下に置くと安定する

もうひとつのコツは、重く感じる色を下側に置くことです。

これにより、土台がしっかりして見えるため、デザイン全体が安定して見えます。具体的にはこんなイメージです。

  • 濃い色・黒に近い色 → 下側へ
  • 白・淡い色 → 上側へ

人間は視覚的にも“下が重いほうが安定感があり自然”に感じます。

重心バランスの話をすると「じゃあ重い色は全部下?」というように絶対ルールだと誤解されがちですが、実際はそうではありません。

あくまで「安定して見せたいときに使えるコツ」です。

まとめ:重心バランスを意識すると見やすさが変わる

重心バランスを意識するだけで、デザインの安定感が一気にアップします。最後にポイントを整理します。

  • 明度が高い色は軽く、低い色は重い
  • 左右の明度バランスをそろえると安定する
  • 重い色は下に置くと安心感が生まれる
  • 安定させるも崩すも意図次第でアリ

スライドやインフォグラフィックを作るときに、この考え方をひとつ入れておくだけで、仕上がりのレベルが大きく変わります。基本的な色の心理効果になるのでデザイン制作にも、ぜひ取り入れてみてください。

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